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流浸工業株式会社

樹脂コーティングのことならおまかせ「流動浸漬のパイオニア」


『プラスティックコーティング』
みなさんは、この言葉に聞き覚えはありますか??

プラスティックコーティングとは、その名のとおり製品をプラスティックでコーティングする(おおう)ことです。


私たちの周りを見渡すと、プラスティックコーティングされている製品って驚くほどたくさんあるんですよ。
例えば、水回り製品(食器洗浄機のバスケット)や私たちの暮らしを支える下水道管、空港においてあるカートや自転車のカゴなど、製品に技術を加えることで、長く使える製品・環境にやさしい製品を実現しているんですよ。


というわけで、日本で初めて流動浸漬法(りゅうどうしんせきほう)を導入した流浸工業(りゅうしんこうぎょう)株式会社 関東事業部・関東工場を訪問してきました。

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流動浸漬法とはどんなもの!?

流動浸漬法を「流動浸漬法は様々な分野に活用できる!」と考え、ヨーロッパから技術導入した流浸工業さん。
金属が錆びないように金属のまわりにプラスティックをコーティングする方法の一つです。


従来、鋼材の防錆処理には、一般的にあらかじめ汲み置いたメッキ槽に材料を浸す「ドブづけ」という方法が用いられていました。


この『流動浸漬法』は、
1.流動浸漬用パウダーをいれた槽の下から空気を入れて、パウダーを均一に浮かします。
2.ここに予め加熱された被加工物を浸し、金属の熱エネルギーを利用してパウダーを溶かすことで、均一でタレのない加工を実現するものです。


従来の方法と流動浸漬法を図示すると以下のような感じです。



コーティングの種類は3種類扱っています。
『ナイロンコーティング』、『EVOHコーティング』、『塩ビコーティング』

『ナイロンコーティング』は、ナイロン11樹脂を使用しています。
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ナイロン11樹脂は、他の樹脂に比べ特性が平均的に優れ、耐海水性、消音特性には特に優れています。ナイロンコーティングの樹脂は植物性のヒマシ油を使っているため、エコに配慮されているようです。



どんなところに使われているかというと、貯水タンク・パネルタンクに使われています。
タンクの中はいつも水がいっぱいに入っているわけではなく、水の量が減ると塩素ガスが発生し、そのガスが鉄とくっついて錆が発生してしまいます。そこで、このナイロンコーティングで加工することで錆を防ぎます。パネルタンクの内装では国内すべての会社の製品をこの流浸工業でコーティングしているそうです。みなさんの会社で使われているタンクの内装にも流浸工業で加工されたものが使われているかもしれません。


『EVOHコーティング』は、株式会社クラレ(アルパカのCMでお馴染)と共同開発しているんですよ。

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ガスバリア性に優れていて、ガソリンタンクや鰹節のパック、システムキッチンの排水パイプなどに使われているんですよ。ガソリンは揮発性が高いため、タンクに入れていても0.01%くらいはどうしても蒸発してしまうそうです。
→→EVOHコーティングをすることによって蒸発を10分の1におさえることができるんですよ。EVOHコーティングを行っている流動浸漬メーカーは流浸工業オンリーですよ。


『塩ビコーティング』は他の樹脂に比べ比較的安価で、私たちの身近で様々なところに使用されているんですよ。塩ビ樹脂を流動浸漬用のパウダーにする作業は奈良工場で行われているそうです!

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ここで流浸工業株式会社の主力製品を紹介しま。その名も業界初!!!コーティングパイプ『リューコート』です。

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これは、流浸工業株式会社のプラスチックコーティング技術と新素材EVOH樹脂を結集させた環境に優しい新世代の『排水管』です。リューコート鋼管EVOH樹脂コーティング鋼管は、塩ビ樹脂コーティング鋼管と同等以上の性能を持ち、環境負荷を低減できる排水管なのです。


用途ごとに様々な樹脂を使い分けていて、東京ドーム・東京八重洲口の大丸などの上下水道で使われているそうです。



このポイントは、
1.錆びない
2.パイプを一体物として加工、すなわちあらかじめプレハブ化されているので、端材が出ず環境に優しいこと
→→市販されているパイプでは、寸法が決まっていて、どうしても端材がでやすいのですが、これはプレハブ化されて出荷されるので、現場ではめ込むだけでゴミが出ないのです。
3.施工時間や人手を減らすことが出来、コストダウンに繋がる。
4.長尺・大口・特殊形状に対応できる。


排水管ってみんなおんなじに見えるんですけど(素人意見)、流浸工業さんのリューコートなら、ゴミも出ず、コストダウンにもなって、お財布にも環境にも優しいですよ!工事の発注元さんいかがですか!?



環境に優しい流浸工業
1.まず工場では下水をほとんど出していません。
2.次にナイロンコーティングの原材料は「ひまし油」という植物由来物質を使用しています。ひまし油はヒマの種子を絞った油で、環境に優しい油です。


ひまし油って初めて聞きました。本当に地球環境を守ることを積極的に行っている流浸工業さんです!!


最後に・・・

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流浸工業株式会社がもっともっと気になる方もいらっしゃるのでは??


関東事業所は若手の社員が多く、和気あいあいとした雰囲気だそうです。
実際に事務所内のみなさんは元気にあいさつをしてくださり、工場内の皆さんも大きな声で掛け声をかけあいチームワークを発揮されていましたよ。


平成24年2月現在、採用の募集は行っていないとのことですが・・・どんな人材を流浸工業さんは求めていらっしゃるかというと、
1.やる気がある人
2.体力もある人
だそうです。

さらに・・未経験の方でももちろん大丈夫です!!とのお言葉をいただいたので皆様、次の募集がありましたら、その時はいかがでしょうか。



番外編
流浸工業さんでは、下の写真のコーティングもされていたみたいですよ!ここにも、流浸工業さんの技術が活かされているのかと驚きでした!
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ミニコーティングという製法が使われているようです!!!

ミニコーティングでは、他にも学生服の詰襟のカギホックなども行っています。流浸工業さんのミニコーティングのおかげで、冬の日も直接肌に触れるカギホックが冷たくないんですよ。

他のコーティング法では、吊るして槽に浸すため、製品にはどうしても吊るす部分のでっぱりが残ってしまいますが、ミニコーティングでは企業秘密の手法を使うことで、槽に浸す際に吊るす部分を必要としません。そのため、ひっかからないで済むのです。金属にひと手間かけることで、格段に温かみが増すんですね。


流動浸漬法の加工方法ってどうやって行うの?
一言でいえばとても『ダイナミック』です。

1.入荷
コーティングされる基材は大型・小型・異型・長尺・超小型それぞれに最適の設備にて加工されます。
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これがコーティング前の基材です。


2.脱脂
溶剤で素材表面の油を落とし、洗浄を行います。


3.ブラスティングショットブラストにてコートが美しく仕上がるように、表面を調えます。
むむむ、もっと詳しく・・・鉄の小さい球をパイプにぶつけて、ゴミやサビを落とすのです。ブラスティングを行うことで、樹脂の密着効果が高まるようですよ~。


4.前加熱
素材が自動化されたラインによって、高温の炉を通り、むらなく適温に加熱されます。なんと360℃まで温められるようですよ。
5.いよいよコーティングです
常温のパウダーに浸漬します。下から空気を送り、プラスチックパウダーが流動することで、均一にコーティングすることが可能となります。そして金属の持つ熱エネルギーによってたれにくく、美しい仕上がりとなっています。

このプラスチックパウダーのお釜、ななんと4メートルくらいの深さがあるんですって。一番深いのは5.5メートルですって。


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長いながーい基材(鉄の棒)が4人の作業員さんによってバーナーで温められながら、釜を出入りしています。

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作業員さんのチームワークがバッチリであっという間にコーティングされてでてきました。

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6.検査
各工程ごとに品質管理は行っているのですが、ここでは念入りに最終チェックを行います。そしてクリアされた製品は出荷されます。

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写真では、二人の方が出荷作業を行っています。


この一連の工程(人間の手でひっかけて出てくるまで)に約20分の時間がかかるようです。<金属が薄い・厚いによって作業時間が変化するようですが・・>


プラスチックコーティング作業をもっともっと近くで見たい!!どうなってるの??って思う読者さん~~~
「はーーーーい!!」

関東事業部長さんの計らいで見せていただきましたよ。


空気を入れる前のプラスチックパウダー↓↓↓↓
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空気をいれた後は嵩が増えて、製品を浸漬しやすくなる・・というのが見て取れます。
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プラスチックパウダーも特別に触らせていただきました~。
フワフワサラサラで、雪塩のような、上新粉のような、おいしそうなサラサラ感でした。フワフワな感じは熊谷の夏の風物詩(?)『雪くま』のようです。
基材を出し入れして・・・
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基材も小さいのであっという間に仕上がりました。
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作業員の方、、とても近くでお見せいただきありがとうございました。


エリは不思議に思いました。
作業員さんが絶妙なタイミングで基材を出し入れして、絶妙なタイミングで基材を揚げています。若そうな方なのにすごいな~職人的な作業なのかな~私不器用だしタイミングはかれなそう・・(・.・;) 

しかし!そんなエリにも朗報が!!社内教育のしっかりしている流浸工業さん♪
浸漬方法のマニュアルがあり、加熱時間や浸漬の具合はそのマニュアルを見ればOKだそうです。心強いですね。


最後に・・流浸工業さんの事務所内にある『展示ルーム』を見学させてもらいました。

ここでは、本当に本当にたーーーくさんの流浸工業さんが手掛けた製品が展示されています

【PACR】



【ミニコーティング】
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色のバリエーションも豊富でした
【コーティングバルブ】
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さらに、体験コーナーまであるんですよ
1 手すり
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一番左は基材の手すり。すごーく冷たいです 冬場は特に冷たさが増しそうです。しかしコーティングすることによって、右に行けばいくほど温かみが増えていきます。ほんわりと温かい、そんな手すりが実現しています。


2 バスケット
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右側はコーティングしていない基材です。カゴを出し入れすると、あの嫌ーなキィーキィーという金属が触れ合う音(擦過音)が聞こえます。左のカゴ(コーティング済み)を出し入れすると擦過音もなくなり、カゴの出し入れもスムーズ。コーティングってすごいっ!


3 塩水噴霧試験250時間
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他のコーティングでは傷口からどんどん金属の錆が進んでいます。しかし左上のナイロンコーティングをご覧ください。他のコーティングに比べ優位性があるのは一目瞭然ですよね。

この体験コーナーを経て流浸工業さんの技術は私たちの暮らしをさらに豊かにしてるという事が実感できました。

流浸工業さんがすごいのは、他社製品をコーティングする仕事だけでなく、自社のオリジナルの製品も持っているところです。日々、技術の向上にも取り組んでいる・・とても積極的な企業さんであるな~と思いました。

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今回の訪問を振り返って・・・
流浸工業の話を聞いた〇〇副課長も目尻をコーティングして欲しいと言っていました。そしてサビたジョークを連発する〇〇課長の口もコーティング出来ればなあと思いました。


最後に説明をしてくださった、とても素敵な大久保関東事業部長さんです。
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質問にも優しくお答えくださり、工場内もすべてお見せくださいました。関西弁がすてきでとてもユーモア溢れる説明をしてくださいました。

本当にありがとうございました!
日付:2012-02-20