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株式会社 ソメヤ

大正9年に創業以来、熊谷染めの伝統を守り続ける


もう春ですね。
都内に出ると、桃・紫・赤・・・色とりどりの素敵な袴姿の女性をちらほら見かけられる季節となりました!今日は時節柄ピッタリなトピックです。

今回は、大正9年に創業以来、熊谷染めの伝統を守り続ける 株式会社 ソメヤ 代表取締役社長の染谷 政示さんを訪問して参りました!

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とてもダンディーで素敵な社長さんでした!

株式会社ソメヤさんでは99%が熊谷染めの着物、そして残りの1パーセントがふくさなどのお土産品の「染め」を行っているそうです。

さらに・・・
・埼玉県伝統工芸モデル工場
・埼玉県彩の国工場
・社長の染谷政示さん自身も熊谷染めの埼玉県伝統工芸士に認定されているんですよ。


1着の着物が出来るまで
着物一着を作るのに、蚕から繭をとる方、絹糸をつくる職人、糸を織って反物にする職人、型紙の和紙を漉く(すく)職人、型紙を彫る職人、染めたり刺繍で柄や色をいれる職人、最後に反物を縫製針する職人などなど・・ たくさんの時間・労力がかかるのです。

どの職人さん、どの工程が欠けても着物は成り立たないわけです。着付けの時間もすごく掛かるのですが、だからこそ着物を着ている人ってとても魅力的で美しい。それで目を奪われちゃうわけですね。テヘペロ


ここで、ポイントは「染める」という技術です!

染物には、大きく分けて、浸染・捺染の2つの種類があります。浸染(しんぜん)とは、水で染料を溶かした液体の中に糸や布地をまるごと浸して染める方法で、主に無地染めや絞り染めがこれにあたります。


捺染(なっせん)とは、布地や製品等に糊で溶かした染料や顔料を印捺(プリント)して模様を現す染色方法で、熊谷染めや江戸小紋(えどこもん)が代表的です♪糊で溶かすことによって、粘り気がでて、隣の色と混ざらないんです。





江戸時代には、藍染めや草木染め(紅花)などの天然染料で染められていたのですが、到底庶民には手が出せないものでした。しかし、明治の開国で化学染料が日本に入ってきてから、染物文化は庶民にも定着してきたのです。


ところで、熊谷染とは⁉
安政年間(1854年から1860年頃)には細かな紋様の「江戸小紋」の技法が、大正期には「友禅染」の技法が採り入れられるなど、創意工夫が重ねられ洗練されたものが『熊谷染』となりました。贅沢が禁止されていた江戸時代、和服の裏地として隠れたおしゃれを楽しんでいました。また、武士の裃(かみしも)にも‼用いられていたようです!(写真の上の部分が裃です。)


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江戸小紋は遠目でみると一見無地に見えるのですが、小さい紋様でとっても可愛らしく繊細な柄です!友禅染(型友禅・手描き友禅)は、多彩な色を使いとても華麗な印象を受けます。

染物と水は切っても切れない関係です。市内を流れる星川を代表とする豊かな荒川の支川、さらに湧水も多くあることが熊谷で染色を盛んにした大きな理由の1つです♪

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(熊谷市商業観光課提供)
熊谷は良質な水がたくさんあったんですね♪高城神社を中心に100軒近くの染色工場があった時代もあったんですよ。


しかし、染谷さん曰く現在の伝統的な熊谷染の工場は、ここ『株式会社ソメヤ』だけになってしまったそうですよ。「後継者問題」が非常に大きくのしかかり、ソメヤさんでも従業員は2人。技術の伝承には約10年かかるそうです。
「職人技」を養うには、テクニックをぬすむべし、染める際の力のかけ方も一定でなくてはなりません。社長の染谷さんも京都で4年間修業を積んだそうですよ。普通の運動神経・バランス感覚があれば染めの技術は手に入れられるとのことでした。


手作業というのは、それだけで温もりがあって、愛らしいですよね。でもこの「染め」一反つくるのに、機械のような正確さが求められ一人前の技術を手に入れるまでに多大な時間がかかる。
「一見私にも出来そう!」と勘違いしかけましたが、こめられている思いや集中力は想像できないくらいなんだろうなと思いました。



最後に・・・
熊谷染めの型紙は、身近なところでみることができるんですよ!!これは染谷さん家が所有する型紙です。

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これが、どこか分かったら熊谷マスターですね!?郵便局の通りや星川通りに熊谷染めの型紙のブロックが埋め込まれていますので、市民の方は注目してみてくださいね。
また、熊谷市の図書館にも染谷さんの心意気により寄贈してくださったそうなので、ご興味がある方はぜひお出かけくださいね!


今回は、全国へと熊谷染めの販路拡大を手掛けているソメヤさんの工場を案内していただきました。

二階建ての工場の中に入って思ったことは、「広い!ちょっと暗い!涼しい」でした。
工場を見学させてもらう立場でなんて我儘なんだと思った方もいらっしゃるでしょう。


しかし、ここがポイントなんです。
昔から、染屋の工場は日光と湿度に気を遣い、一方向からの光で一日中湿度が安定しているように土間を使い、繊維の状態が一日中変化の少ないよう工夫されているそうです

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熊谷染めができるまで
1 捺染のり
なぞの物質+染料・熱湯=捺染のり

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なぞの物質の正体は糖粉・米ぬか・塩・熱湯がミックスされた「糊」です。パッと見た感じぬか漬けの樽かと思っちゃいました><(笑)
アリエリ、この捺染糊の前段階を味見させてもらいました。
「ちょっとしょっぱい粘土みたい(エリ)」「これだけで、ごはん大盛り5杯はいける!(アリ)」というのが感想で、自然古来のものを使ってるんだな~驚き!と共に、ふむふむ関心しちゃいました。

これに染料と熱湯を配合し粘度を調整して、捺染糊の完成です!!

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濃い色や薄い色で立体感を出すことで、日本古来の美意識であるわびさびを表現するんですって
日付:2012-04-02