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東京重機株式会社

私たちは安全を第一に考えると共に、お客様と常に課題を共有し、解決に向けて全力で努力しています

今回は、御稜威ケ原で建設用重機及び荷役機械のリースなどを行っている東京重機株式会社機材センターを訪問しました。本日は東京重機株式会社 機材センター長の長尾さんと総務部次長の堀江さんにお話を伺いました。



━ まずは、東京重機株式会社の事業内容などを教えてください。

当社は、昭和38年の創立以来、移動式クレーン及び各種建設機械専門リース会社として安全性、信頼性、耐久性の高い大型高性能機種を提供しています。特に当社の特徴として小型機種から超大型機種までの「豊富なラインナップ」を揃え、「広範囲な営業拠点」から「経験豊富で安全意識の高い社員」を現場に派遣しています。

また、海外専門誌「International Cranes and Specialized Transport」において、世界のクレーン会社ランキング「IC100 Cranes 2024」では48位と毎年50位以内をキープしています。

熊谷市の機材センターは敷地面積約30,000㎡があり、当センターでは、大型クローラクレーン本体や附帯する各種部材の保管・管理などを実施する拠点となっています。元々はモータープールとして活用していましたが、令和2年に隣接地を購入したことに伴い、機材センターを設置しました。当センターには、機材管理やクレーンの検査、帰出庫時機材の積込み・積下ろしなどを行う機材グループとクローラクレーンのメンテナンス管理や保守点検などを担う整備グループが所属しています。元々常勤5名程で行っていましたが、機材センターの設置に伴い、従業員の配置を行い、現在では17名の従業員で日々業務を担っています。

大型クローラクレーンは現場での組立てが必要であり、部材各種を機材センターで管理しています。組立てには規模によって差異はありますが、「①クローラ(キャタピラ)の組立て」、「②上部旋回体(本体・操縦席)の組立て」、「③ブームの組立て」、「④フックの取付」作業が必要となり、完成までに7日間程度かかる場合もあります。それぞれの部材をバラバラな状態で現地まで輸送し、現場での組立てを行っています。


【会社紹介映像】




━ 「経験豊富で安全意識の高い社員」を有している点が企業の強みとしているとのことですが、技術教育はどのように進めていますか。技術者の高齢化なども問題となっていくかと考えられますが、若年者への教育も含めて教えてください。

クレーン整備士については、OJT(On-the-Job Training)を組み、職場内訓練を実施しています。1~2年目までの初任者研修から、3~5年目、5~10年目までの中堅社員研修、10年目~のカテゴリでステップアップが図れる仕組みを取り入れています。
また、資格取得にも力をいれており、国家資格である建築機械整備技能士(1級・2級)の取得に向けた積極的な支援を行っています。資格取得に向けては、メーカーの勉強会の協力を受けています。同業他社では中々保有していない資格取得にも力を注いでいます。指導に当たっては、2人1組のペアを基本とし、ベテラン職員と若手がペアとなることにより、技術の伝承も日々行っています。
クレーン運転士(オペレーター)についても、国から叙勲を受けた者が今まで10名おり、そのうち2名は現職として、またOB1名が在籍していることから技術伝承の面からも指導面は手厚いと考えています。

移動式クレーン運転士免許はつり上げ荷重5t以上となっていますが、当社で扱う大型クローラクレーンなどは最大65tから1350tまでと幅広い大きさのクレーンを保有しています。最初から大型クレーンを扱うのではなく、小型から実践していき、ステップアップして段々と大型のクレーンを扱えるようにしています。従業員本人のモチベーションを上げるため、計画表を作成し、クレーン操作のレベルを満たした人が習熟度に応じて段々とステップアップできる仕組みを取り入れています。当社では242名の従業員のうち100名以上がオペレーターとして働いていますが、皆「いつかは大型機に乗りたい」と夢を持った、向上心の高い従業員が多いことも特徴の一つとなっています。


━ 貴社は揚重・輸送作業を通じて、重要な社会インフラを支えています。企業としての具体的な取組などを教えてください。

揚重とは、建設資材や重量物をクレーンを使い、引き上げることを言い、建設揚重業とは、クレーンを使用し、土木・建築・プラント・橋梁工事における建設資材の配置や鉄骨の組立て、機械等据付工事に附随する揚重作業を請け負う専門工事業のことを言います。当社は、「うちではできません」は絶対に言わないようにしています。相手から要望があった場合には、技術・設備を準備し、対応できるように企業として取り組んでいます。また、当社では、5つの行動指針を示しており、企業として仕事に対し熱意を持って積極的に取り組んでいます。
また、安全教育に力を入れており、当社独自の教育動画を製作し、理解の浸透を図り、ヒューマンエラーを防止するための努力を企業全体として取り組んでいます。


━ 大型クローラクレーンなどはどのような現場で活躍しているのか教えてください。

スーパーゼネコンからの依頼や橋梁、プラントその他発電所や工場など300社以上と取引しています。様々な現場で仕事をすることにより、従業員のスキルアップも可能となっています。



━ 熊谷の機材センターの魅力を教えてください。

圏央道周辺は現在、物流施設の建設工事が多数行われており、鉄骨よりはるかに重い大型コンクリートの柱で建てられているため、当社が保有している大型クレーンが活躍する需要が多く、機材センターが熊谷市にある立地のメリットがあります。
当社の機材センターが所在する御稜威ケ原団地は花園インターが近く、首都圏のあらゆる地域へもアクセスが良く、大変助かっています。


━ 大型のクローラクレーンを輸送するためにどのような工夫が必要となりますか。

受注を受けた状況によってクレーンの大きさが変わってくるが、それぞれの部材をパーツで輸送していき、現場で組み立てを行っています。また、道路や橋梁の構造によって荷重が変わってくるため、重量の調整から現場まで向かうルートを工夫しています。また、千葉県袖ケ浦市に巴ヤードがあり、洋上での移動による対応をしている場合もあります。






━ リースから戻ってきた部材などはどのように管理されていますか。

当社では整備記録のシステム化を図っており、各従業員にはタブレット配布をしています。整備内容をデータベース化することにより、オペレーターが変わっても過去の整備記録を誰でも確認することができるようになっています。
部材が返却されたら、各オペレーターが確認表を元に部材の確認を行います。その後整備グループにて、整備・保守を実施、次に貸し出す際には出庫時確認を実施することとなっています。その際にはクルーの最終確認を得た部材が送り出されることになっていますので、安心・安全な状態で各現場にて活躍することになります。会社として一体となって、事前整備を行う体制を構築しています。
また、相手方企業の要望により、前後左右にカメラを取り付け、運転席部分で確認ができるように整備をしたりしています。現場に応じて、安全対策や要望が変わってくるため、現場に応じた対応を機材センターで管理・整備し対応しています。



━ 実際の作業ではどのように積み込みなどを行っていますか。

機材センター内では、KA1・KA2など区画ごとに何が置かれているかわかるように管理しています。そのため、積み込みを行う場合、どの区画に行けばいいか入口の配置図で運転手がわかる状態となっています。トレーラーなどを近くにつけてもらい、実際に積み込み作業を行っていきます。
作業に当たってはオペレーターだけではなく、複数名で対応し、トランシーバーを活用してコミュニケーションを取り、事故が起きないように安全対策を講じながら実際に作業を実施しています。

【作業の様子】








※ 安全対策のため、複数名で誘導し、位置の確認も含めコミュニケーションを取りつつ作業を実施していました。

【コクピットの様子】





━ 会社全体及び熊谷機材センターの今後の展望を教えてください。

売上げ規模の増加など会社全体として取り組んでいます。また同業他社がいるため、他社とは違うメリットを推し進めつつ、どんな工事でも対応可能なオペレーターがいることを強みにこれからも成長・発展へと進んでいきたいと考えています。


━ お忙しいところ、 機材センター長の長尾さんと総務部次長の堀江さんを始め、従業員の皆さま、大変お世話になりました。
  本日は、ありがとうございました。

【作業風景動画】




【機能紹介動画】













日付:2025-05-15